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家督相続と現在の相続について

旧民法時代の家督相続

現在の民法ができる前の「旧民法」時代では、もっぱら「家督相続」が行われていました。家督相続とは、戸籍上の家の長としての戸主が死んだり隠居したりしたときに、その地位を受け継ぐことです。戸主は財産を持っているため、その財産も家督相続によって次の戸主に受け継がれました。
長男が家督相続人になるのが普通であり、相続は独占的に長男子によって行われていました。ただし、戸主以外の者が亡くなった場合には「遺産相続」が行われました。

このような長男による独占的な相続は、日本国憲法が謳う「個人の尊厳と男女の平等」の原則に反することは、いうまでもありません。少し複雑な相続手続きを行うと、旧民法時代の戸籍にまでさかのぼることがよくあります。古めかしいことのようですが「家督相続」という言葉は覚えておきましょう。

現在の民法での相続

現在の民法では「家」の制度を廃止し、それに従って家督相続制度も廃止しています。その結果、相続とは、ただ財産を受け継ぐだけのこととなり、配偶者は常に相続人となり、子どもは男女の差別なく平等に相続人になれるようになりました。

▼ 民法の基本用語
相続とは、ある人Aさんが死亡した場合に、Aさんの財産を、ある人Bさんが受け継ぐことをいいます。このAさんを「被相続人」、Aさんの財産を「相続財産」または「遺産」、Bさんを「相続人」といいます。また、相続人が二人以上いる場合の相続のことを「共同相続」と呼びます。

相続人の範囲と順序

具体的には、誰が相続人になれるのでしょうか。民法では、その範囲と順序を定めています。

第一順位の相続人:子と孫
ある人Aさんが死亡したら、その子どもBさん、Cさんが相続人となります。しかし、Aさんが亡くなる以前に、Bさんが亡くなっていたり、民法の別のところで定められている規定により、その相続権を取り上げられていて相続できない場合は、Bさんの子であるDさんが、つまり被相続人であるAさんから見れば、孫にあたるDさんが、(代襲)相続人となります。このように本来の相続人に代わって相続することを「代襲相続」といいます。

第二順位の相続人:父母
父母がいないときは祖父母、祖父母がいないときは曾祖父母という順番です。父母には実父母、養父母のどちらも入ります。祖父母は、これらの父母がいない場合にのみ相続人となります。父母のいずれの祖父母も対象です。

第三順位の相続人:兄弟姉妹
兄弟姉妹には、父母の両方が同じ者と、その片方だけが違う者(異父・異母兄弟姉妹)が含まれます。なお、被相続人の配偶者はいつでも相続人となります。つまり、第一から第三順位の相続人とは、同順位で必ず一緒に相続しますし、それらの相続人がいない場合は、単独で相続人となります。

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